バーチャルリアリティの未来に起こりうる問題として、SF分野から気になる課題が生まれています。それはバーチャルリアルティの空間に魂を抜き取られる体外離脱、もしくは臨死体験に近い現象になるリスクです。
もしも単にバーチャルリアルティ空間が映像フォログラムとせいぜいジェスチャー読み取りだけの体験ではなく、触覚や聴覚に至るまでの体験、つまり夢を見ることに近い体験になるような場合はバーチャル空間の中のバグで生まれた異空間などに魂を抜き取られ意識不明になったり実質死亡してしまう可能性が心配されるのです。
それは現代科学の視点で考えると本当に起こりうるのか?そしてその場合どのように防げるのか?それを突き止めるべく、今の段階でわかってきたことを何かの手がかりになればいいなと思って、以下まとめます。
自律神経の中でも生存と深く関わる副交感神経とは?
自律神経には交感神経と副交感神経に大きく分類されます。
そして自律神経系は全身に分布していており、血管、胃、腸管、肝臓、腎臓、膀胱、性器、肺、瞳孔、心臓、汗腺、唾液腺、消化腺などの内臓をコントロール制御しているそうです。
交感神経の働き
交感神経系の神経節の大半は、脊髄のすぐ外の左右両側に位置し、副交感神経系の神経節は、上であげた内臓の付近または内部に存在するそうです。そして多くの臓器は、交感神経系と副交感神経系のどちらか一方によって主に制御され、一部は両方によってそれぞれ反対の方向に制御されている。
例えば交感神経系は血圧を上昇させ、副交感神経系は血圧を低下させる。
一般的に交感神経は、ストレスの多い状況や緊急事態に際して体の状態を整える働きがあり、一方で緊急性があまりない機能を鈍らせる働きがあります。例えば性行時に男性が性器に血液が集中して他がもぬけの殻みたいになってしまうとか、受験の試験中に頭はよく働くけれど、手足の循環が悪くなって気分が悪くなったりなどもそれに当たるかもしれません。
副交感神経の働き
一方で副交感神経は主に体内のメンテナンスを行います。
健康な人、もしくは本来は、特に意識しなくても勝手に体の中の老廃物を除去してくれたり傷ができても修復してくれたりします。
人が眠っている時、それでも生きていられるのは副交感神経が生命維持のための呼吸などの仕事をしてくれる。でもそれは当然の権利なのではありません。
もしも過労などで疲労が極度に溜まった状態や老化などでその機能がうまく働かなくなると眠っている時に気道が塞がって呼吸が止まったりすることもあるそうです。これを無呼吸症候群というらしいです。
この症状になると寝覚めても疲労が取れず、むしろ眠ったことによって頭痛がひどくなったりするそうです。
これを予防するためには寝る前にあまりフルで仕事し過ぎないことや、床に着いた時に他のことを考えずにぐっすり寝る事だけに集中するのが良さそうです。
また寝る姿勢も気道が塞がりやすいあお向きではなく、横向き(昏睡体位に近い)が安全だと思われます。
(自覚症状があり心配な方は早めに病院で専門医の診察を受けることをオススメします。)
また病院の手術で全身麻酔した時も副交感神経が機能しなくなるので人工呼吸器のお世話になりますし、意識不明の人や運悪く脳死になってしまった場合も同じように人工呼吸器を使います。
意識不明の人の中には心臓が止まってしまって危険な状態になる人もいます。その場合は心臓マッサージを外からする必要もあります。
つまり副交感神経の機能はこのように生命維持と深く関わり、高齢になるとこの機能も衰えるため寿命を迎えてしまうのだと思います。
脳波の種類と副交感神経の意外?な繋がり
脳波とは脳の活動を100万倍に増幅して記録した波形のことであり、
人は目覚めて仕事などしている時、β波になっているそうです。そして休憩をとってリラックスしているときはα波になって副交感神経が優位な状態を担っているそうです。
脳波 | 状態 | 周波数 |
γ波 | 瞑想など高次の精神活動で出やすい。 この脳波と同じものをアルツハイマー病モデルのマウスに与えると脳内老廃物のアミロイドβが減少することが分かっている。 ガンマ波が出ると、脳細胞が新しく作り出されたり、脳の回路が組み替わったりする可能性がある |
30〜100Hz |
β波 | 心配したりイライラしている時や 言語や論理を使ったり複雑な計算をしている時の状態。 AIが得意な領域。 パニックやストレスが高くなるとβ波の中でも高い周波数が出ているらしい。 |
14〜38Hz |
α3波 | せかせかしている時の状態 | 12〜13Hz |
α2波 | 何かに没頭している時やリラックスしている時や気分が良く、心が安定していてアイデアが出やすい時の状態 | 9〜11Hz |
α1波 | 眠たさがある時の状態 | 7〜8Hz |
θ波 | 浅い睡眠、夢見の時の状態。 脳が潜在意識にアクセスしている。 交感神経と副交感神経の調節が乱れているレム睡眠中 |
4〜6Hz |
δ波 | 無意識にアクセスしている。 ノンレム睡眠中で副交感神経優位 |
0.5〜4Hz |
この表からすると、もしもおかしなことが起こるとすれば、θ波の時だろうと考えられます。起きてる時と同じように勘違いしてリアル現実にはないものをあると思い込んだりして、間違ったアクションをしてしまうため、体外離脱をしてしまう可能性が高いと考えられます。
視聴覚的刺激を介した脳波同調(英語版)。バイノーラル・ビート(英語版)は特定の周波数の脳波[31]、特に様々なMind Awake/Body Asleep状態で支配的な周波数を誘発するために使用される。Body Asleep状態で見られる4ヘルツの脳波のバイノーラル誘導はモンロー研究所によって効果的であると認められ[32]、一部の著者は、他のテクニックと組み合わせて使用した場合、体外離脱の開始を著しくサポートすると考えている[33][34]。また、Mind Awake状態のベータ波(通常のリラックスした覚醒者の脳で検出可能)の同時誘導も建設的なものとして認められた。他の一般的な技術は正弦波パルスを使用して同様の結果を達成しており、ネイティブ・アメリカンが宗教儀式に用いる太鼓は、脳波同調メカニズムを通じて「他の世界」に対する受容性を高めたと考えられている。[35]
引用元 : https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%93%E5%A4%96%E9%9B%A2%E8%84%B1
この引用が真実ならば、θ波の中でもδ波に近いところで体外離脱を誘発することになります。
なのでこの周波数をもしも使わない予定ならば、前もってガードしておけば良いことになります。
ただもう一つ盲点があって、4Hzは音の周波数で実現するばかりではなく、包絡波の周期で実現できてしまうことです。4Hzの定義にかえって、つまり1秒間に4ビートのリズムがレム状態を誘発してしまう可能性もあるのです。
しかも人間の聴覚が過敏に反応する音声域でこのビートが繰り返されると小さな音でも簡単に自律神経を乱してしまうかもしれません。
この場合は音を聞かないことで身を守るしかないかもしれません。
脳全体のパフォーマンスと進化?の可能性
また脳の状態は一律にどれかの脳波一色なのではなく、共存しているそうです。
脳全体の状態 | 解釈 |
覚醒脳 | アルファ波、シータ波、デルタ波を高い状態に維持された状態。瞑想で目指すべき理想形とも言われる。 |
進化脳 | アルファ波、ベータ波、シータ波、デルタ波それぞれ4つの脳波が同じような大きさになった状態 |
超意識シンクロ状態 | 最も周波数の高いガンマ波が大きくなった状態で、意識が明晰になり、学習速度も早くなり、共感力も高くなる状態 |
究極脳 | ガンマ波を含めた全ての脳波が一斉に高くなる状態 超能力者に多いらしい |
ここで分かる重要な結論は、頭が良くなるためにはβ波よりα波の方がいいという単純な話ではないことです。どっちも人間文化全体もしくは生命維持のためになくてはならないものなのです。
ただし長時間βばかりに偏ってしまうと身体のメンテ保守上良くないということです。
同じように仮に可能だったとしても超能力者のように究極脳を長時間続けると、ハードディスクいっぱいのPCに重いジョブを走らせて高負荷かけ続けた場合と同じように、脳にかなり負担がかかると考えられます。
そのためスマートフォンなどモバイルの電池寿命を上げるためのパフォーマンスと同じように、脳寿命を長くするためのパフォーマンスが存在し、それがα波と関係あると思われます。
起きて活動している中では長時間で見るとα波を目指すのが脳に無理負担がなく、十分な睡眠を取っている人の方が無理負担がなく脳の寿命を伸ばす可能性があります。
ただし寝てばかりいる過眠症の人も深く眠れるわけではなく、認知症など脳の衰えの原因になると言われています。
一方でγ波は普通の人の普通の生活の中では見られない脳波なのですが、遺伝子的な進化に影響する可能性が高いと言われ、また脳の認知症などの病気の治療にも期待されているそうです。
ただ人間の聴覚でも耳を澄ませばなんとか聞こえるギリギリの低音域の感覚がγ波の周波数なので、聴覚の音域を健全に維持できれば、そうじゃない人よりはγ波の脳波が何かのきっかけで共起されやすい可能性はあります。