8つの見どころ
視聴者の年代によって感じ方が変わる作品
この作品は地球政府が宇宙人イルミダスとの戦争に負けて征服された地球連邦政権の中で理不尽な扱いを受けて屈辱的な気持ちで過ごしている背景で義を貫くために宇宙海賊になったハーロックと乗組員のストーリーです。
ただしハーロックが宇宙海賊になった時に地球を征服したイルミダスは滅びたが、その貢献度にも関わらずお尋ね者の汚名は地球連邦から着せられたままになり、その後はルパン三世みたいなストーリーになっていますが、我が青春アルカディアでは宇宙からの侵略者が同じヒューマノイドであるイルミダス、コスモウォーリア零は地球連邦と外交的に繋がった機械化人間による銀河総督府の不正を暴き成敗する話、本編は知的植物マゾーンからの侵略と戦う話です。(なおクィーン・エメラルダスについては銀河鉄道999シリーズと一緒に観た方が良いのでそちらで記事をまとめる予定です。)
話として一番面白いのは『我が青春のアルカディア』『我が青春のアルカディア無限軌道SSX』『コスモウォーリア零』です。
10代、20代、30代、それ以上の中高年で作品を初めて見た時、もしくはもう一回見直した時に感じ方がそれぞれ違うような気がします。
宇宙戦艦ヤマトや銀河鉄道999とのつながりは?
キャプテン・ハーロックは西暦2977年という現代から1000年近く先の遠い未来を舞台にするSFストーリーです。その頃地球連邦という一つの政府が地球を統治していたが、腐敗して宇宙侵略されても勝てず講和条約を結んで外交的にやりくりをする中で軍人艦長ハーロックは正義感が強く、占領下で理不尽なことが続いたり腐敗した地球連邦と考え方が合わずついに抵抗して永久追放されてしまいます。
宇宙戦艦ヤマトの活躍した時代からずっと後の話として宇宙戦艦ヤマト制作に関わったお1人の松本零士さんのオリジナルストーリーとして楽しむのが良いと思います。
またハーロックシリーズは宇宙戦艦ヤマトと銀河鉄道999ともつなげるような世界観をもっているのが特徴です。銀河がイルミダスやマゾーンや機械化人による銀河総督府によって支配される時代だったのです。
松本零士さんのお父さんから語り継いだ太平洋戦争時代の体験談がベースになっている。
松本零士さんはSF以外にも太平洋戦争関係の戦記も漫画描かれていますが、戦記を具体的に前線で戦って散っていく人の姿を1コマ1コマに分けて伝えると言う意味ではSFでも歴史物でも同じだったのでしょう。形はSFと言う形態であっても過去の戦争を形を変えて伝えているのかもしれません。
キャプテン・ハーロックのモデルになった人も松本零士さんのお父さんそのものだったらしいです。
我が青春アルカディアに出てくるキャプテンハーロックの祖先のファントム・F・ハーロックが遭遇したスタンレーの魔女の場所はどこにあるのか?
パプア・ニューギニア島にあるオーエンスタンレー山脈は4000m級を指します。
元ネタはドイツ人のハーロックの祖先そのものよりも旧日本軍の方にあると思われます。
ミッドウェイ海戦などで日本海軍が敗北したことが影響して海路を使えなくなってしまいました。
これによってソロモン諸島・ニューギニア方面の拠点であるラバウル基地が交通要所としての重要度を増し、ポートモレスビーから安全を脅かされるためポートモレスビーへの進攻作戦が取られるようになった。
日本陸軍は東部ニューギニアのオーエンスタンレー山脈(最高峰4,000メートル)を越え、直線距離にして220キロを陸路で侵攻するポートモレスビー攻略作戦を実行したが、乗り越えた機体も敵の待伏せに遭い多くの犠牲を出しました。
南海支隊はこの作戦で、9割以上の兵士が命を落としたらしいです。
その悲劇の出来事の前にハーロック1世がその場所に訪れていたという設定になっています。
ハーロックの海賊らしい戦い方
相手の旗艦に衝角通路を横付けて乗り込み、白兵戦に持ち込み、得意の重力サーベル銃で司令官を倒す。
デスシャドウ号もアルカディア号もハーロックの戦い方に合わせてトチローによって設計されている。
海賊船なので戦艦への体当たり切り裂き攻撃やそのための重機を使った戦い方も得意とする。
だが一番特徴的なのはラストはアルカディア号で体当たりしたり衝角で敵艦に乗り込んで白兵戦で勝負するところだと思う。そのために40人の乗組員がいるのかもしれない。
ハーロック自らも舵取りが簡単にできるようにアナログな操縦桿が付いている。
武器の火力よりも、反応の速さを武器にして戦い、後出しジャンケンみたいな反射的な戦い方も得意です。
人質や捕虜取られた場合でもあるいは自らが取り囲まれたりした場合でもタイムリーに戦艦が駆けつけ退路を確保できるような戦い方をする。(毎回たくさんのクルーが死ぬ宇宙戦艦ヤマトと比べるとハーロックの話は基本的に水戸黄門や暴れん坊将軍など見てる感覚に近い。クルーではなくその話のみに登場する正義のために戦う登場人物の多くは犠牲になって亡くなることが多い。)
それからハーロック達の停泊を受け入れた星々がハーロック達の退路を断つだけのためにイルミダスによって無惨にも星の人民が消滅させられたりしている。この部分は正規軍でない故の限界かもしれません。銀河鉄道999エターナルでも鉄郎やメーテルがお尋ね者になった時も同じようなことが起こりました。
宇宙戦艦ヤマトと比べるとガミラス政権に早々に降参せずにしぶとく戦っていたことのに対して戦わずさっさと降参していたらこうなっていたみたいな話にも見えたりします。(でもワープ航法以外は地球が造ったということなら負けない自信があったのもしれない。最初に手を出した帰責性は別として)
宇宙にデスシャドウ島や海賊島のような小惑星基地を持ち完璧なように見えながらも、海賊活動の限界を感じてしまったのかハーロックはマゾーン問題解決後は優秀なクルー達を地球に帰す道を選んでいます。
そしてハーロックのモデルはなんと松本零士さんのお父さんで、機関長の魔地(まじ)さんが零士さんがモデルだったらしいです。
アルカディア号の3つの側面
まず1つ目はハーロックの戦い方に合わせた戦闘に最適化した仕組みになっていること。
30世紀だどいうのにただ無人ドローン戦闘機に任せて遠隔操作しているだけではない。偵察機兼戦闘機だけでなく戦艦ごと大型重機のように使ったり、体当たりなどして白兵戦に持ち込んで勝つための小型ドリル車など重機も備えていること。
2つ目はメインコンピュータ初め高機能なアンテナやレーダーやモニターなど高機能な設備や訓練マシンや爆発物処理設備まで備えた戦艦だということ。
3つ目はハーロックやクルーにとって居住空間としての戦艦だ。Mr.ゾーンの時に明らかになったが、宇宙生活の長旅で精神的にクルーが衰弱してしまうとキャプテン・ハーロック一人だけで戦えなくなるという意味ではクルーにとって居心地がいいスペースにしなければいけないというハーロックの理念が反映されたこの居住区としての戦艦も見どころなのかもしれない。
宇宙戦艦ヤマトの場合はあくまでも地球防衛軍にとってヤマト計画とともに上からの視点で管理しやすいように設計されているのに対して、アルカディア号はクルーがプライベート含めて楽しめるように作られている。
水木一郎さんが歌う主題歌
キャプテンハーロックの心そのものを表したアニソン主題歌にも魅力があります。
さだまさしさんの歌みたいな雰囲気の『むかしむかし』
まゆのテーマ(インストルメント)/銀河子守唄
トチロー遺児のまゆのオカリナにより奏でられ、ミーメのハープで伴奏されるこのメロディーがなかなか良いメロディーかもしれません。
また『銀河子守唄』もなかなか良い歌です。
地上波放送の時期
舞台となる時代 | タイトル | 内容 | 原作/監督 | リリース時期 |
西暦2977年 | 宇宙海賊キャプテンハーロック | 当時地球連邦政府は政府の考え方に批判的な政治犯を鉄鉱山に送り込んで強制労働させていた。 本編初期の設定では日本政府がモデルみたいな地球連邦政府と自衛隊がモデルの警備隊の組み合わせというお粗末な設定だった。 トップも首相になっていて選挙で勝つことしか頭になきう防衛に対して全く無関心で警備隊長に全て任せ、市民には極秘で処理するように指示し、成功すれば大臣に任命すると言った。 トチローが亡くなってからの話。台場正がクルーに加わる。 ヒューマノイドではない宇宙知能植物マゾーンに地球が侵略される話。 「マゾーンは人の心をもて遊ぶ。そのことを忘れた時我々は戦わずしてマゾーンに敗れる。」とハーロックは正にアドバイスしたが、正は美しい容姿の捕虜ローラに催眠術をかけられて騙されて母親だと思い込んで頼まれるままに捕虜を逃してしまった。 ミーメの生まれ故郷ジュラ星もマゾーンによって巨大植物だけの星にされた。 ハーロックの過去が駆け出し海賊になっていてその後強制労働先の鉄鉱山で軍隊入りを志願してトチローと共に太陽系地球連合軍に参加。そして戦艦エベレストをトチローが爆破する。 惑星ヘビーメルダーはかつて消滅の危機にあった。その軌道上に妖星ガンダが現れた。 そしてギリギリのところを完成した戦艦アルカディアで人民を載せて脱出する。 そしてその後間もなくトチローは亡くなって脳細胞と魂をメインコンピュータに残し、宇宙葬にされた話になっているが、『わが青春アルカディア』でリメイクされてハーロックの過去は駆け出し海賊ではなく軍人将校から敗戦をきっかけにして海賊になったことになっている。トチローも太陽系連合の技師として働いていてエメラルダスは自由貿易人でハーロックと同じタイミングで海賊になったことになっている。 ハーロックはトチローから頼まれてユリシーズ星雲の氷の星グラビウムを探していた。 エメラルダスもエメラーダの名前で登場する。エメラーダは当初から海賊活動をしていた。トチローの財布もエメラーダが支援していたのかもしれない。 最終決戦で黒点以上や木星と火星の間の小惑星群などでなんとか凌ごうとしたが圧倒的に多数のマゾーンの軍勢を前になすすべもなかった。 小型戦闘艇が押し寄せて発進ブリッジを狙って白兵戦を仕掛けようとしてきた。 メインコンピュータと艦橋を守べく手分けしたが、メインコンピュータ室へ押し寄せられた時、太陽風で小惑星に異変が起き軌道を変えた。 | 原作:松本零士 脚本:上原正三 | 1977年〜79年 |
宇宙海賊キャプテンハーロック アルカディア号の謎 | トチローが亡くなってからの話。 基本的に宇宙海賊キャプテンハーロックのダイジェスト版 | 1978年 | ||
キャプテン・ハーロックわが青春のアルカディア無限軌道SSX | 劇場版『わが青春のアルカディア』の続編 舞台は太陽系連合時代の後 地球は人型宇宙人のイルミダスに敗戦して降伏し地球・イルミダス連合政府という設定にリメイクされた。 ハーロックとクィーンエメラルダス、大山トチローは宇宙中に高い懸賞金をつけて指名手配された。 主にトチローストーリー。 トチローが宇宙病になってしまい死期が近かった。トチローはメインコンピュータと一体になる。 ==== オススメVOD Amazon Prime Video契約(無料視聴期間あり)をして マイ★ヒーローチャンネル契約499円/月 ただし15日程度無料視聴期間あり。 | 脚本:松本零士 Amazon Primeマイ★ヒーロー無料14日 | 1982年 | |
30世紀末 | コスモウォーリアー零 | 機械化人との戦争に敗れた地球連邦政府は機械化人と講和条約を結んだ。 銀河総督府の輸送船がキャプテンハーロックたちの宇宙海賊(デスシャドウ号)に襲われたことを受けて銀河総督府は地球人の手で海賊を征伐するように命令してきた。 征伐に失敗すると機械化人との講和条約も危なくなると言う。 地球軍独立艦隊司令官ウォーリアス・ゼロの元に総司令官より宇宙海賊ハーロック討伐の命令が下る。 この時ウォーリアスは宇宙戦艦ヤマトの面影がある火龍(波動砲4つ)に乗っている。 しかし機械化人と人間のクルーが乗り込んでいて人間が喧嘩をふっかけ機械化人に反乱が起こる。 料理人も医者も機械化人間だったため人間乗組員に不満が溜まり機械化人間の待遇は悪くされそれに対して蜂起が起こったのだ。 実はキャプテンハーロックのデスシャドウを装って銀河総督府は人間狩りをして機械化人の部品にしようと企んでいた。 そしてそのターゲットには地球軍独立艦隊司令官ウォーリア・ゼロも含まれていた。 地球連邦の議長(人間の心を残した機械化人になっている)も命を狙われ機械化人に殺される。 大マゼラン星雲近傍テクノロジア 巨大重力を発生させる装置ヘルキャッスル ヘルマキュア マリーナ・沖はウォーリアの亡くなった妻そっくり。 ウォーリアス・ゼロ(CV:森川智之) マリーナ・沖(CV:) ヤングハーロック(竹本英史) | 監督:横田和善 脚本:藤本信行 | 2001年7月6日〜9月28日テレビ東京にて放送。 Dアニメストア |
わが青春のアルカディア | ストーリーはハーロックの祖先の空軍パイロットのファントム・F・ハーロックの話からスタートする。 1000年前ファントム・F・ハーロック2世(先祖)が大山トチロウ(先祖)と出会う。 太陽系連邦はイルミダスにより支配されハーロックとトチローは地球を脱出する。 ハーロックはまだ難民退上船艦長だった。 その後ハーロックはトカーガ侵攻に義勇軍を派遣することになりその部隊を輸送する仕事を地球連邦から頼まれた。 自由貿易人・エメラルダスの船をトチロウが修理しトカーガに奪わせ、エメラルダスも指名手配を受けることになった。 先に支配されて占領下になったトカーガはイルミダスによって殲滅されてしまった。 その後惑星ごと爆発させてきた。 ギリギリのところでハーロックたちはトカーガ残兵とともにアルカディア号で脱出する。 地球に戻ってきたハーロックは地球連邦に永久追放を宣告される。 しかし地球占領軍司令官はハーロックを認め、一騎討ちの勝負をすることを申し出 る。 キャプテンハーロック(CV:井上真樹夫) トチロー(CV:富山敬) ゾル(CV:池田秀一) ゼーダ(CV:石田太郎) クィーン・エメラルダ(CV:田島令子) Dアニメストア | 原作・松本零士 | 1982年 |