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刷毛、ブラシの歴史ルーツと素材種類の硬さと産地まとめ

どのブラシを選んだら良いのか迷う方も少なくないことや、個人的に色々奥が深いと思ったのでその歴史ルーツを独自にまとめてみました。

世界VS日本のブラシの歴史と産地と硬さ

歴史

年代イギリスフランスアメリカ日本
18世紀1777年G.B.KENTが高級ブラシ&コームメーカーとして創業。天然毛は豚毛のみ。1718年日本橋江戸屋が江戸幕府将軍家おかかえの刷毛師として認められ、江戸刷毛の専門店として開業。
1732年には「万金産業袋」には当時使用されていたいろいろな刷毛が図入りで紹介されており、その中に「江戸刷毛」の名称が見つかる。
19世紀1862年メイソンピアソンが産業革命の流れの中でクッションブラシを発明しヘアブラシの会社を創立。
北インド産の猪毛にこだわっている。
1875年Fournival社創立しaltesse(アルテス)とISINISの猪毛ブラシを創る。1874年フランス製刷子(さっし)を手本として洋式刷毛が製造され始め、その「東京手植ブラシ」製造に従来の刷毛職人たちが携わった。台東区が中心となった。
1897年藤本虎が東京で創業
20世紀1978年にアヴェダ(AVEDA)が創立。1914年大内刷毛店(カナヤブラシ産業株式会社)が東京に創業
1917年UNO BRUSHが刷毛製造で創業し刷毛・ブラシの製造販売を開始。
1942年ブラシの平野が東京でブラシ専門店として開業。
1947年大阪にVESS工業株式会社が創業。
21世紀2024年メガベンチャーのReFa(MTG)が天然猪毛100%のクッションブラシを発売

日本も刷毛の歴史はそこそこありますが、西洋ブラシとは違い筆の延長上で造られたものだったようです。

産地

メーカー|地域北インドインド/スリランカ/インドネシア重慶/漢口(中国)日本ロシア
メイソンピアソン黒猪毛(頭髪用)
江戸屋黒檀
ブラシの平野白馬毛(衣類用)
KENT豚毛豚毛

硬さ

JIS3016(歯ブラシ)による硬さ=荷重/植毛面積[N/cm3]
ただし使用感とは合わないようです。

種類毛の硬さ毛の太さ
ナイロンかなり硬い
猪毛硬い
豚毛硬い約 0.15
馬毛(本毛)硬い約 0.2
馬毛(フリ毛)中硬約 0.1
白山山羊約 0.05
馬毛(シマ毛)約 0.04
弱酸性に可、アルカリ性は不可
目次

ブラシ以前は?

刷毛でも衣服の埃をはらえますが、髪を梳かして整える目的ではまだ使うことが出来ませんでした。雛人形のような平安貴族の美しさを支えていたのはつげ櫛で奈良時代にはすでに使われていたそうです。完全に水洗い厳禁の櫛で椿油を染み込ませてフケなどの汚れを取ったりヘアセットなどをこのつげ櫛のみで行っていました。デメリットもそれなりにあるのですが、木製なので静電気は逃すため絡まりが起きないのも大きな魅力です。

薩摩つげが今でも高級品として知られています。

手植えブラシの魅力、機械植えと何が違うのか?

機械植え、手植えに限らず木材直接植えで共通しているのは、一束一束が太めであり、まず頭の隅々の痒いところまで梳かすことで頭皮をマッサージし尽くせるところです。KENTもコンセプトが健康な頭皮においています。
また一束一束が太めなのでその隙間に埃が入り込んでしまい、ブラシのクリーニングが寿命に関わってくるかもしれません。

手植えブラシは引き線により連続して植毛されているため、一穴ごとに植毛されている機械植えに比べて毛切れや毛抜けが起こりにくく耐久性があり長く使えることが特徴のようです。つまり見た目は機械上の方が綺麗に見えますが、手植えの方がブラシとしての寿命は長い可能性があります。

毛束を二つに折り引き線を巻きながら木部にあけた無数の穴にひとつひとつ差し込んで作られるそうです。

また手植えの場合は毛の植え直しも可能らしいです。

一応ぬるま湯でさっと洗って陰干しすることはできるようです。
(頻繁に洗うことは非奨励)

頭髪だけではなく洋服ブラシや靴ブラシとしても人気があるので、カシミヤやアンゴラなどの毛皮やセーターやマフラーや純牛革ベルトや高校の鞄などレザー用品の手入れにも有効です。また外出用のトレンチコートなどの埃やちり払いにも使えます。ただし手植えは高価なので頻繁に使うのでない限りは機械植えでも良いかもしれません。機械植えで寿命が来てしまい物足りなくなってきたら手植えを考え始めれば良いかもしれません。ブラシは機械植え手植えに限らず革製品やブランドなどの衣類の見た目の良さを長持ちさせることが可能です。

結果的に衣料品はたまにで良いので機械植えでよく、頭髪はたくさん梳かしたくなるのでハンドメイドが欲しくなります。

産業革命でメイソンピアソンによって発明されたクッションブラシとは?

中空構造のクッション性パッドを採用したブラシでメイソンピアソンにより発明されました。

これにより硬い毛質である硬質猪毛をゴムクッションと空気孔を設けることで適度な空気圧となり、ソフトに頭皮に当てて梳かすことができるようになりました。梳かすというよりは頭皮を撫でるような使い方です。その過程で髪が比較的短時間で素早く艶々に櫛通りよく梳かすことが可能です。
ただしこのクッションブラシが効果的なのは短い毛丈と少ない毛束の硬質な静電気が少ない天然猪毛に支えられているようです。

そのためデメリットとして天然毛のブラシなので水気と相性が悪いため水洗いできないデメリットもあります。
メイソンピアソンのブラシは洗浄液を購入して専用のクリーニングブラシを使うことを奨励しています。その代わり30年も長持ちさせた方もいらっしゃるようです。江戸屋のブラシが長くて10数年と書いてましたがそれと比べたら長寿です。

面が広く、ピンの間隔も広いパドルブラシ

「パドル」の由来は、カヌーで使うオール(櫂)を指し、オールのように大きなスクエア型のものが多く、ブラシ面に空気穴があいているのが特徴で、 穴から空気が抜けることでクッション性が高まり、気持ちよく頭皮を刺激しながら髪を梳かすことが出来るようです。

ポニーテールなどのまとめ髪が作りやすいです。安価に手に入るものは水洗いもできて清潔に保ちやすいかもしれません。ただしデメリットもあり、梳かすのに髪が絡まりやすいとも言われています。素材にこだわれば手入れがしにくくなり、手入れ保守面を優先すると静電気と絡まりで悩むので素材選びからこだわった方が良いでしょう。

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