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SF作品で話題になる物理用語 まとめ

用語 説明
ブラックホール 宇宙空間に存在する天体のうち、極めて高密度で、強い重力のために物質だけでなく光さえ脱出することができない天体である。
ブラックホールには質量密度の定義があるだけで大きさに関する定義がないため、大きさは銀河の中心にあるという巨大なものから米粒よりも小さなものまで存在する。
ただしあまり小さいものは量子的な力に勝てなくてすぐに消滅してしまうそうだ。

2021年にはイスラエルの研究者がルビジウム原子800個、直径約0.1ミリのブラックホールを人工的に作り出している。

ホワイトホール ブラックホール解を時間反転させたアインシュタイン方程式の解として、一般相対性理論で理論上議論される天体である。ブラックホールは事象の地平線を越えて飛び込む物質を再び外部へ逃さずにすべてを呑み込む領域であるが、ホワイトホールは事象の地平線から物質を放出する。加速度の符号は時間反転に対して保存されるので、どちらも重力(引力)が起因する現象であるが、ホワイトホールの重力はブラックホールと同等なため、放出された物質が再び引き戻されて事象の地平面へ降り積もった結果、ホワイトホールの外側にブラックホールの領域が形成されるとする説もある。
ワームホール 光速を超える超高速移動に当たるワープやタイムマシンの可能性があるとすればワームホールと関係があるらしいが、ワームホールを作って維持するエネルギーが膨大なためコントロールすることは難しいらしい。
中性子星 大質量星が超新星爆発を起こした後に残る特殊な天体。半径12kmの中に、太陽質量の約1.4 倍の物質が閉じ込められ、きわめて重力が強い。そのため、星表面からの光は赤方偏移を受け、裏面からの光が曲げられて観測者に届いたりする。 さらに中性子星の連星では、軌道運動を変えるほどの強い重力波も出る。
この強重力で星が潰れないのは、内部が地上で実現できないほど高密度で、原子核同士が融けあって核力が星を支えるためである。中心に向けて密度は増し、コアではハイペロンなど、通常では見られない特殊な粒子が発生するとも言われる。この中性子星の内部がどうなっているのかは、現代の基礎物理学における重要な未解決問題のひとつになっている。
反物質 陽子の反粒子は反陽子、電子の反粒子は陽電子。反陽子と陽電子が束縛したものが反水素原子で、これが反物質の基本単位である。

反陽子は・・陽子の反粒子で、電荷がマイナスで質量は陽子と等しい。自然界にはほとんど存在せず、加速器でわずかな量を作ることが出来る。

陽電子は・・電子の反粒子。絶対量が電子と等しいプラスの電荷を持ち、その他の電子と等しいあらゆる特徴(質量やスピン角運動量 (1/2))を持つ。

反粒子 反粒子が通常の粒子と衝突すると対消滅を起こし、すべての質量がエネルギーに変換される。逆に、粒子反粒子対の質量よりも大きなエネルギーを何らかの方法(粒子同士の衝突や光子などの相互作用)によって与えると、ある確率で粒子反粒子対を生成することができ、これを対生成と呼ぶ。
核融合反応 軽い核種同士が融合してより重い核種になる核反応を言う。
核融合炉 1、核融合プラズマ生成に必要な加熱エネルギーより、そのプラズマで実際に核融合反応(DT反応)が起きたときに出るエネルギーが大きくなる状態(「臨界プラズマ条件」という。)の達成

2、核融合プラズマが加熱を止めても核融合エネルギーにより持続する状態(「自己点火条件」という。)の達成と核融合プラズマの長時間維持に道筋を付けることをはじめ、核融合実験炉の建設を通した炉工学技術の発展、エネルギー源である核融合中性子に耐えうる材料の開発、核融合エネルギーから熱を取り出す技術の課題←2023年では今ここ

3,実際に発電を行うとともに、その経済性の向上を目指して必要な課題に取り組みます。そのために、核融合原型炉DEMOの建設、運転等を行う。

タキオン 常に光速よりも速く移動する仮想的な粒子である。ほとんどの物理学者は、光よりも速い粒子は既知の物理法則と一致しないため存在しないと考えている。仮にそのような粒子が存在し、光よりも速い信号を送ることができたとすると、相対性理論によれば因果律に反することになり、親殺しのパラドックスのようなタイプの論理的パラドックスが生じることになる。このような粒子が存在することを示す実験的証拠は見つかっていない。「タキオン」という言葉を生み出した1967年の論文で、ジェラルド・ファインバーグは、虚数の質量を持つ量子場の励起からタキオンが作られると提案した。しかし、このモデルでは実際には超光速を実現できないことがすぐにわかった。現代の物理学では、「タキオン」という言葉は、超光速の粒子ではなく、「虚数の質量を持つ場」を指すことが多い。このような場(タキオン場(英語版))は、現代物理学において重要な役割を果たすようになっている。

特殊相対性理論によれば、通常の物質(ターディオン)はどんなに加速しても光速に達することはない。それに対し、特殊相対性理論に反しないように仮定された超光速粒子であるタキオンは、以下のようなターディオンとは正反対の性質を持つ。ターディオンはどんなに加速しても光速に達することはないが、タキオンはどんなに減速しても常に超光速であり光速以下になることはない。また、ターディオンがエネルギーを与えれば与えるほど加速していくのに対して、タキオンはエネルギーを失えば失うほど加速していく。タキオンのエネルギーと運動量は、測定可能な物理量なので実数であることが期待されるが、上の性質を持つならば、その静止質量および固有時は虚数となる。

暗黒物質 現在の物理学で観測が難しい未知の素粒子が存在し、それが暗黒物質の正体であるという仮説が主流
ダークマターとも言われる。
銀河団などの大質量の天体の周辺を通る光は重力源を迂回するように進むとする「重力レンズ」と呼ばれる現象によって暗黒物質の存在が発見された。

また宇宙背景放射も暗黒物質も暗黒物質の存在を裏付ける決定的な証拠となった。

宇宙背景放射の解析から、宇宙の組成も明らかになり、私たちが知っている通常の物質は全体のわずか5%しかなく、残りは27%が未知のダークマター、そして68%がさらに謎なダークエネルギーであり、通常の物質の5倍以上の量のダークマターが存在していることが判明した。

以下の2候補が有力らしい。
1,「WIMP(ウィンプ)」
原子と同じくらいの大きな質量で、相互作用が弱く電荷をもたない中性であること。同時に、宇宙の初期に生成され今に至っていることから、少なくとも宇宙年齢程度まで安定した存在
2, 「AXION(アクシオン)」
質量は小さいが、量が桁違いに多い

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